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左官体験ワークショップ〜その2〜

1日目の漆喰塗り体験に引き続き、2日目は三和土の体験ワークショップ。
三和土とは、昔の家の土間の床に使われていたもので、
セメントの無かった時代に、土を叩き絞めて土間を作ったものです。



「三和土」と書いて「たたき」と読むのは、
土+消石灰+にがりの「三」種類の材料を混ぜ合わせ、
「和」ませた「土」と言うところから来ていて、
仕上にはとにかく「叩く」ことから「たたき」と読まれたとの事です。
法隆寺の土塀等もこの三和土で作られており、
漆喰と同様に身近に手に入る材料で構成されています。
今回はお借りしたお宅の裏の土に消石灰と砂、にがりを混ぜて作りました。



前日に腰の様子が危なくなった私は、材料まぜ班に(笑)



ミキサーに土、消石灰、砂を3:1:1位の割合で混ぜ、
にがりと水を少々入れながら、堅さの調整をしていきます。
腰に楽かと思いましたが、ミキサーに材料を入れる作業でやはりピンチに(笑)

混ぜ合わせた材料を現場に運び込み、あとはとにかく「叩く」のみ。



4〜5cmに敷き均した材料を、2〜3cmになるまでひたすら叩きます。
それを2回行い、5cm位の厚さにまで叩き絞めますが、
中腰で行うので、腰への負担は相当のもの。
とにかく単純作業で、バッコンバッコン叩かないといけないので、
人海戦術でどんどこ叩いて行きました(笑)



結構体にこたえる作業なので、休憩のときには庭先で座ってお茶タイム。
12月とは思えない小春日和で、世間話をしながらお茶で休憩しているとき、
「結」という、村の住人がお互いに家づくりの作業を手伝い合う風習があった頃は、
きっとこんな感じでやっていたんだろうなぁと想いを馳せていました。



人海戦術の甲斐もあり、日が暮れるまでに施工完了。
ただの土だったものが艶を帯び、すでに家に馴染み始めていました。
このまま2〜3週間ほど養生すると固まり、通れるようになります。
その頃はちょうど年の暮れ。
良い時期に施工できたのかもしれません。

2日間に渡るワークショップでしたが、左官工事の奥深さに触れることができ、
既製材料が住宅の多くを占める中、こういう人の知恵と技で作り上げられた材料を、
もっと積極的に提案して行くことで、住まい手さんも住まいに愛着を持ち、
なにより安心して暮らせるのではないかなと。

こういうモノやコトをお施主さんに繋ぐ役割を私たち設計者がするためには、
もっと技や材料を知り、職人さんとも協同して行くべきだと改めて感じました。
by kameplan_arch | 2010-01-08 08:02 | けんちく日記
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