コンペ玉砕の次の日、気分一新、せっかく熊本まで来たのだからと、
アートポリス活動で生まれた建築を「探訪」してきました。
しかし、熊本は火の国だけに熱かった。
まずは
「県営竜蛇平団地」。竣工は1994年。
設計は
元倉眞琴さんですね。
前面道路側は1階すべてをピロティーとし、中庭との連続性を確保している。
しかし、私にはこのピロティーの高さがちょっと低いように思えた。
もう少し高ければ、もっと中庭とのつながりが出来たかも。
しかし、高くすることで前面道路からの圧迫感は増すし、
ピロティー内部に入ると結構良い感じの高さ。
雨の日など、ここで子供が遊ぶ姿が思い浮かびますね。
中庭はこんな感じ。
隣棟間隔が程よい感じで、
中廊下型で居室が隣棟間で向き合うところもあるが、気にならない距離。
これは設計分野ではないが、ちょっとメンテナンスが・・・・。
折角の中庭に雑草が生えまくっているし、ベンチも壊れたまま。
外壁の塗装部分もそろそろ更新時期かも、と言うぐらいくたびれた感じがした。
私にこの規模の設計依頼はおそらく無い(笑)と思うが、
コミュニティー作りである程度はカバーできる部分かなと思う。
もしくは、公営住宅という入居者募集形態の限界かもしれないですね。
つぎは
「県営帯山A団地」竣工は1992年。
設計は新納至門さん。
建築雑誌で見た事はあったが、実際に見てみると結構挑戦的なキャンティレバー。
あの一番上の住戸に住んでみたいと思うのは、私だけでしょうか?
外壁の打ち放しがちょっとお疲れ感を醸し出してますが、
これを越えると味が出てくるかも。
一歩中庭に入ると、これもまたいい感じの隣棟間隔。
中庭が生かしきれていないのがちょっと惜しいですが、
これも管理上の問題かもしれませんね。
次は
「水前寺江津湖公園管理棟」。竣工は1999年。
設計は牛田英作+キャサリン・フィンドレイさん。
アートポリスは公共建築が多いせいか、木造の物件が少なく、
規模も結構大きいものが多いのですが、この建築は程よい大きさ。
参考になる部分が多いかと思い、結構じっくり見てきました。
公園のマウンドにあわせた屋根勾配に屋上緑化。
周囲の警官に溶け込んだ、とても良い建物でした。
残念ながら内部は見る事は出来ませんでしたが、
散歩途中の人が、階段あたりで休憩していたりするところをみると、
地元に溶け込んでいる事がよくわかりました。
ディテールも・・・参考になるところいっぱい。
怪しいくらいにスケールを当てて採寸しまくりました(笑)
最後に
熊本北警察署竣工は1990年。
設計は篠原一男さん。
新建築かなにかで見て、びっくりした事を覚えています。
しかし、実際に見てみるとそれ以上にびっくり。
ハーフミラーとこの逆三角形のファサード。
挑戦的すぎます。(笑)
サイドに回ってみて「あ、こうなってるのね」と納得。
張り出しているのはファサードの一部分で、後ろはベーシックに構成されている。
そりゃ、その形のまま建物がず〜っとあったら、
プランがしにくくてしょうがないですよね。(笑)
結構インパクトのあるファサードですが、
隣にある公園から望むと意外にしっくり。
熊本はアートポリス事業のお陰で、
ちょっと移動するだけで様々な建築が見られる「建築銀座」。
次回行く時は、もちょっと時間をかけて回ってみたいものですね。