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現場けんがくっ!!

いや、ホントにヒトの現場見るって勉強になりますね。

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今日は、地元ゼネコンで設計をやっている
カミサンの担当現場をけんがくっ!!(笑)
身内過ぎて気が引けましたが、
RC共同住宅の現場を見ることもあまりないので、
図々しくも見学会に行ってきました。





そこまでしてみたかった現場、それは免震だったから。
RCでの免震は、最近身近な物件でも取り入れられる様になりましたが、
賃貸共同住宅での採用は初めて聞いた。
「借りる」建物でも、安全であってほしいと言う借り主も多いと聞く。

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はい、コレが建物の荷重を支える「支床」
これが滑って地震の水平力をキャンセルするんですね。
支床上の梁だけでも結構な荷重がある様に見えるが、
こんな点で支えられるモノを作れることに驚き!!

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はい、これがゴムで出来たゴム支床。
垂直荷重を支えながら、水平力を減衰させる。
7〜80cmはあったか。コイツも凄い。

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で、最後に体験!!
起震車にに乗せてもらった。
いきなり「阪神大震災」を体験。
私は実際には体験していないが、叔母が長田に住んでいたので、
ほぼ直下での体験を話してくれた時に、
「冷蔵庫が飛んだ」と言っていた。
しかも、床を擦りながらではなく、空を飛んだ。
確かに、震災後に叔母の家に行ったとき、
その跡を見たが、冷蔵庫がある場所とその反対側の壁際の床にしか傷が無く、
確かに飛んだことに間違いは無かったのだが、
その実感はあまりなかった。
その揺れを体験した時、あまりの揺れに少し気持ち悪くなった。

その次が「新潟地震」
実際の震度はどうか分からないが、阪神よりも強い横揺れ。
車内にあった震度計を見ていたが、瞬間的に震度7弱に振れる。
これも立ってなんかいられない。

さらに、これから来ると言われる「東南海地震」
ハッキリ言って、これが来ると思うと恐ろしさを超えて・・・。
表現のしようがないが、何も出来ないのは確か。

最後に、未だかつて来たことの無い「震度7を30秒間」
カクテルが出来そうな勢いのシャッフル。

この起震車の優れたところは、上記の地震がきた時に、
免震だとどう揺れるか体験できるところ。
全く揺れない訳ではなく、東南海では「震度3?」ぐらいに感じられて、
これぐらいだと逃げたりできそう。

起震車に乗りながら、阪神や新潟でも倒壊しなかった木造建築が多数あり、
その建物の挙動はどうだったのか知りたくなった。
ある程度の共振しながら粘っていたに違いないが、
その粘りが木組みや貫で吸収されていたのか?

今回の法改正でも強度型の建物指向は変わらなかったが、
改正前に告示に盛り込まれた「木格子耐力壁」や「貫耐力壁」はあまり評価されていない。
確かに初期耐力は強くないが、変形が大きくなってから徐々に力を発揮する木組みの耐力壁。
行政上の評価はあくまで「初期耐力」
これでは一定以上の力が加わった時点で、崩壊モードに突入する。

初期の大きなチカラに対しては、
面材や筋交いで抵抗し、変形が大きくなった段階から木組み耐力壁で力を吸収させる。
崩壊モードに入る時点を遅らせることができる。
強度を指向しすぎると、一気崩壊ということもあり得る。
木組みの耐力壁は、崩壊までの時間を稼いでくれる。
強度型の耐力壁と粘り型の耐力壁をハイブリットに組み合わせないと、
地震力に抵抗しきれないのではないかと感じた。

木造のような軽い建物では、ゴム免震では固定周期が合う可能性もあり、
よりベターなのは固定周期の無い「滑り支床+ダンパー」と言われている。
そろそろ木造でも免震や制震を真剣にやる時期に来ているのではないかと、
起震車のなかで痛感しました。
by kameplan_arch | 2007-09-02 22:59 | けんちく日記
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