カテゴリ:設計についての一考察( 13 )

基準が変わっても・・・

平成25年10月1日から、住宅の省エネ基準の算出方法が変わりました。

それまでは熱損失係数(Q値)という基準でしたが、
外皮平均熱貫流率(UA値)と言う基準になりました。

双方の違いは
Q  値=建物から逃げる熱の総量÷床面積
UA値=建物から逃げる熱の総量÷外皮面積
ということで、「建物から逃げる熱の総量」を分子にするところは変わっていないのですが。
分母が「床面積」から「外皮面積」にかわっています。

この違い、プロでもあまり意識されていないのですが、
実際の設計には多いに違いが出るのです。

床面積外皮面積で何がかわるか、簡単に解説してみます。
全てのプランの断熱性能は同じとします。



まずは、基準になる真四角の平屋があったとします。

(1)平屋 基準プラン
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このプランだと、外皮面積=建物から逃げる熱の総量が16枚。床面積が4枚となります。
Q  値=16枚÷4枚=4
UA値=16枚÷16枚=1



次に、床面積は同じだけど、平面の形が違う(外壁の面積が多い)にします。

(2)平屋 雁行プラン

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Q  値=18枚÷4枚=4.5
UA値=18枚÷18枚=1

同じ床面積でも、Q値では(1)のほうが(2)より性能が高いとされていたのですが、
新基準では、外皮面積で割るので(1)も(2)も同じ性能とされます。




kameplanは、ここに大きな矛盾を感じています。

床面積の違いによる断熱性能の違いは、設計をしていても違和感は無いのですが、
「同じ面積(容積)でも、外皮面積=『外壁や屋根、床の面積』が小さい方が、断熱性能的には有利」
という、あたりまえのことが抜けおちてしまっています。
とにかく数字合わせの基準だなぁと。

kameplanの設計例を見て頂くと、気がつかれるかもしれませんが、
四角形の単純な形の組み合せが多いのです。
これは、出来るだけ外皮面積を減らして、建物の熱損失を防ぐという目的があります。
また、単純な形にすればする程、構造的に有利になりますし、
使う材料が少なくなる分、コスト面でも有利になります。

このようなシンプルな建て方の考えは、古くは「9坪ハウス」(設計:増沢 洵)や、小泉誠さんライフアンドシェルターさん伊礼智さんをはじめ、
様々な建築家がトライしています。

カタチ(意匠)だけではなく、構造(骨格)や温熱性能、音、光、ニオイ、周辺環境との調和、コスト(資金計画)に至るまで全てが調和し、
バランスをとる作業を「デザインする」のだと、kameplanは考えます。

今回弟邸を設計するにあたり、基本的な考えに立ち戻り、
1坪オーバーした「10坪の家」(笑)として、kameplanなりにトライしてみたいと思います。
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by kameplan_arch | 2015-03-23 22:25 | 設計についての一考察

街のクリーニング屋さん 〜その4

先程アップした「街のクリーニング屋さん  〜その3」の続編です。

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やたら時間とお金がかかる結果となりました。
しかし、現行法で対応できるのはこのルートのみ。
手間と時間、法解釈などが必要なので、設計事務所の出番ですね〜(笑)


街のクリーニング屋さん 〜その4

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by kameplan_arch | 2014-03-31 12:30 | 設計についての一考察

街のクリーニング屋さん 〜その3

先程アップした「街のクリーニング屋さん  〜その2」の続編です。

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国交省も行政も及び腰な対応で、新築・改築には超高層ビル並みの手続きが必要になりました。

街のクリーニング屋さん  〜その3
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by kameplan_arch | 2014-03-31 12:25 | 設計についての一考察

街のクリーニング屋さん  〜その2

先程アップした「街のクリーニング屋さん  〜その1」の続編です。

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縦割り行政の指導の狭間で、いつの間にか商店街には建てられなくなってしまいました。

街のクリーニング屋さん  〜その2
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by kameplan_arch | 2014-03-31 12:20 | 設計についての一考察

まちのクリーニング屋さん 〜その1

うちの仕事パートナーでもあるかみさんが、
とっても役に立つ記事を、自分のブログにアップしました。

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縦割り行政の狭間で、いつの間にか違反建築にされて、摘発される街のクリーニング屋さん。
設計事務所として、対抗できる手段が無いか模索中です。
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by kameplan_arch | 2014-03-31 12:15 | 設計についての一考察

サーキュレーションシステム〜冬のはたらき〜

前回ご紹介した「夏のはたらき」

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基本原理である「空気は暖まると上に昇る」という現象を利用して、
建物の一番高い所に設えた「エアチャンバー」に、薪ストーブで温められた空気を集め、
ファンで床下に送り込んで、空気床暖房を狙っています。

夏と冬の切り替えは、手動ダンパーで住まいてさん自ら切り替えてもらう事で、
制御系をシンプルにしています。
年に数回の切り替えであれば、それほど苦ではないですよね(笑)

冬の制御は、エアチャンバーに設けた温度センサーとタイマーで行っており、
エアチャンバーがある程度暖まった段階で、
床下への送風を行う様にしています。

タイマーのみでも充分制御は行えますが、
無駄にファンが働いて電気を浪費するのを避けるために、
温度制御を入れています。

これら全て特注製品ではなく、一般市販されている機械類の組み合わせで構成しているので、
普通の電気屋さんでも施工、部品交換が可能です。

オリジナルでの組み合わせなので、トリセツもそれに合わせて整備。
今回もTさまオリジナル「トリセツ」を制作してお渡ししました。

建物と一体に計画した仕組みなので、
設計段階である程度計画してあげないと、導入や効果が難しい仕組みですが、
シンプルな仕組みなので、きっと効果てきめん(のはず)(笑)

1年間Tさま邸で実測を重ねて、更なるブラッシュアップを計っていきますよ〜
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by kameplan_arch | 2013-07-08 12:15 | 設計についての一考察

サーキュレーションシステム〜夏のはたらき〜

Tさま邸で導入した「サーキュレーションシステム」
前職でお世話になった先生方が、OMソーラー開発初期に試されたシステムを、
kameplanなりに再解釈し、薪ストーブとの連携を考えて作ってみました。

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「空気は暖まると上に昇る」

という自然現象の力を借り、夏場は建物の一番高いロフトに設けた窓を開けておいて、
そこから室内の熱気を抜いています。
この窓は、夏の間開け放しておける様、雨の入りにくい納めにしています。

そのかわり、夜間北側の涼しい空気をファンで床下に導き、
床下から柔らかく涼をとっています。

OMソーラー在職時から、この夜間涼風取り入れの効果を実感していて、
これだけで日中の室内の温度が2〜3度違ってきます。

次回は、本命の「冬のはたらき」をご紹介しますね。
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by kameplan_arch | 2013-07-05 12:15 | 設計についての一考察

意外な実験結果(笑)

あらまあ、という実験結果ですが。
長期優良住宅基準で建てられた木造住宅と、基準法基準で建てられた木造住宅を、
E-ディフェンスの実物大加震装置で比較実験したそうなんですが。



FNN動画ニュースサイトへ

なんと、長期優良の方が先に倒壊してしまいました。
実物大実験なので笑ってすませられますが、実際の地震だと笑い事じゃないですよね。

構造計画とプランは一体であるべきです。
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by kameplan_arch | 2009-10-30 10:18 | 設計についての一考察

敷地の事前調査の重要性について

日々お施主さんと接していて感じる「敷地の事前調査の重要性」。

建替えや既に敷地を所有されている場合は、
当然、計画立案のために、法規制や敷地形状、周辺状況を綿密に調査します。

が、これから土地を買われる方からの調査依頼は皆無です。
そのような調査が必要かどうなのか、
あまり知られていないからでしょう。

しかし、私たち建築士仲間の中でよくでる話題の一つで、
「もっと早く相談してくれていれば・・・」
のトップランクに来る事柄の一つです。

例えば・・・
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by kameplan_arch | 2007-12-13 13:58 | 設計についての一考察

設計事務所って、設計しかしないんでしょ?

「設計事務所って、設計しかしないんでしょ?」

という印象をお持ちだと、一般の方から聞きました。

「デザイン(=意匠)に凝るから、高くなっちゃうんだよね」

とも。

一般の方にとって、設計事務所が馴染みの無い業態なので、
上記のような印象を持たれるのはあたりまえかもしれませんね。

「ある意味、弁護士事務所みたい」とも、その方は仰りました。
それぐらい敷居が高く、普通の生活では縁のないものだと。
「建物を建てる」と言う事だけを業務として行っていると、
もちろん、一生に一度会うかか会わないか。
そう言う事になってしまいますよね。

でも、設計事務所って、いろいろな業務をするところなんです。

設計事務所って、何するところ?
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by kameplan_arch | 2007-12-10 11:15 | 設計についての一考察