土曜住宅学校も2回目で、今回は
長谷川豪さん。
前回は中村好文さん、次回は泉幸甫さん、最終回は小泉誠さんと、
このメンバーから見るとちょっと異色で、「なんで?」という人選だったので、
ちょっと楽しみにして行ってきました。
長谷川さんは77年生まれの、30歳を過ぎた超若手。
設計する建築を見ても、いかにも最近の若手建築家だなぁと思っていましたが、
設計のプロセスや考え方を聞くと、イメージが変わりました。
街と住宅の関係を考えるとき、どこかにバッファーゾ−ンを置いて、
柔らかく切り、繋がる手法をとることが多いのですが、
長谷川さんの場合、住宅の中に街的要素を取り入れて、
そのポイントで繋げるという考え方。
たしかに、プランニングや開口部の取り方をよく見てみると、
内部と外部をある線で切るのではなく、一体のものとして計画していることがわかる。
作例を見ていて、何となく内蔵をえぐられるような感覚がしたのですが、
それは外部が内部に入り込んでいるので、そう感じたのかもしれません。
一見暴力的なやり方に見えますが、
「なんちゃって」でやってしまうと本当の暴力になってしまう所を、
驚くほどのスタディーを重ねることで、うまいつながりを見つけるのだそうです。
そのスタディーの積み重ね方が尋常ではなく、
野球部出身の長谷川さん曰く
「1000本ノックに耐えられないプランは、所詮そこまで。
自分を超えるプランを作るためには、一度自分を壊さないと出てこない」
と、ストイックなまでにスタディーを繰り返すのだそうです。
設計の基本となるプランニングは、
設計者の人間性や出自が出て当然と思っていましたが、
こんな考え方ややり方をしている設計者がいることに驚き、
大いにシゲキになりました。
でも、やっぱり私にはその繋げ方や考え方は、生理的にできない。
そこの違いを自覚できただけでも、大きな収穫でした。