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屋根断熱の効果 発表します!!

先日よりシリーズ化した「パッシブな夏対策シリーズ」の屋根断熱改修の結果が出ました。








A:断熱改修なし(野地板露出)
B:押出法ポリスティレンフォーム3種 厚50mm(≒新省エネ基準)
C:押出法ポリスティレンフォーム3種 厚50mm+内部遮熱シート

という張り分けになっています。
測定時の室温は28℃、外気温は36℃で、内外温度差8℃の状態です。
ポイントAは38℃、ポイントBは30.4℃、ポイントCは29.6℃の表面温度となっていました。

室温28℃に対して、ポイントAは明らかに熱侵入がみられ、
全く無断熱の状態だと38℃の熱が室内に供給され続けるので、
エアコンをいくらかけても室温は下がらず、
また下がったとしても輻射の影響で、じわっと暑い感じになっていまします。

ポイントBは、室温に対して若干高めの表面温度。
断熱材が50mmなので、防ぎきれない熱が室内に入り込んできています。

ポイントCは、やや高いが室温なりの表面温度。
Bとの差が1℃程度ですが、遮熱シートの効果が出ていると考えられます。
また、ポイントBに見られた垂木の熱橋(縦に走るオレンジ色の筋)がないことから、
付加断熱(遮熱)としては、結構な性能であることも分かります。

本当は室温をもっと下げて測定すると、ポイントBとCの違いが
はっきりしてくると思うのですが、エアコンを全開にしても28℃以下に下がらない(笑)
屋根からの熱侵入も大きいのですが、外壁の断熱もやはり無いので、
外壁からの熱侵入+屋根断熱不足でエアコンの能力を上回ってしまっている、
という結果でしょうか(笑)

まあ、この結果から行くと
1)無断熱住宅でエアコンをかけても、熱輻射/侵入でどうにもならない。
2)屋根断熱は新省エネ基準程度では、熱侵入は防ぎきれない。次世代省エネ基準でないとダメ。
3)遮熱シートも、断熱材の能力に左右される。
ということですね。

屋根断熱の改修は、構造によりますがあまり大きく構造体をいじらずに出来る改修です。
天井裏があれば、吹き込み方式の断熱材がありますし、
小屋裏を使っている場合、今回のような板状の断熱材を施工していく方法が簡単です。
どちらを選ぶか、どの程度の断熱強化をするかは、現在の建物のスペックとの相談になり、
コストも大幅に変わってきます。

断熱材も「入れればいい」と言うものではありません。
現在の建物のスペックと、目指す性能、断熱した部分の用途、換気の方法等、
様々な手段が考えられます。
改修をお考えの方で、ご興味があればkameplnまでお気軽にご相談ください。
by kameplan_arch | 2010-07-22 16:55 | けんちく日記
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