基準が変わっても・・・

平成25年10月1日から、住宅の省エネ基準の算出方法が変わりました。

それまでは熱損失係数(Q値)という基準でしたが、
外皮平均熱貫流率(UA値)と言う基準になりました。

双方の違いは
Q  値=建物から逃げる熱の総量÷床面積
UA値=建物から逃げる熱の総量÷外皮面積
ということで、「建物から逃げる熱の総量」を分子にするところは変わっていないのですが。
分母が「床面積」から「外皮面積」にかわっています。

この違い、プロでもあまり意識されていないのですが、
実際の設計には多いに違いが出るのです。

床面積外皮面積で何がかわるか、簡単に解説してみます。
全てのプランの断熱性能は同じとします。



まずは、基準になる真四角の平屋があったとします。

(1)平屋 基準プラン
c0085722_16274.jpg


このプランだと、外皮面積=建物から逃げる熱の総量が16枚。床面積が4枚となります。
Q  値=16枚÷4枚=4
UA値=16枚÷16枚=1



次に、床面積は同じだけど、平面の形が違う(外壁の面積が多い)にします。

(2)平屋 雁行プラン

c0085722_165572.jpg


Q  値=18枚÷4枚=4.5
UA値=18枚÷18枚=1

同じ床面積でも、Q値では(1)のほうが(2)より性能が高いとされていたのですが、
新基準では、外皮面積で割るので(1)も(2)も同じ性能とされます。




kameplanは、ここに大きな矛盾を感じています。

床面積の違いによる断熱性能の違いは、設計をしていても違和感は無いのですが、
「同じ面積(容積)でも、外皮面積=『外壁や屋根、床の面積』が小さい方が、断熱性能的には有利」
という、あたりまえのことが抜けおちてしまっています。
とにかく数字合わせの基準だなぁと。

kameplanの設計例を見て頂くと、気がつかれるかもしれませんが、
四角形の単純な形の組み合せが多いのです。
これは、出来るだけ外皮面積を減らして、建物の熱損失を防ぐという目的があります。
また、単純な形にすればする程、構造的に有利になりますし、
使う材料が少なくなる分、コスト面でも有利になります。

このようなシンプルな建て方の考えは、古くは「9坪ハウス」(設計:増沢 洵)や、小泉誠さんライフアンドシェルターさん伊礼智さんをはじめ、
様々な建築家がトライしています。

カタチ(意匠)だけではなく、構造(骨格)や温熱性能、音、光、ニオイ、周辺環境との調和、コスト(資金計画)に至るまで全てが調和し、
バランスをとる作業を「デザインする」のだと、kameplanは考えます。

今回弟邸を設計するにあたり、基本的な考えに立ち戻り、
1坪オーバーした「10坪の家」(笑)として、kameplanなりにトライしてみたいと思います。
by kameplan_arch | 2015-03-23 22:25 | 設計についての一考察
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