建築探訪ツアー 〜新宿新都心地域冷暖房センター編〜

先日、建築士会の勉強会の一環で、東京建築探訪ツアーに参加してきました。

「今更なんで東京なの?」
な〜んて心の片隅で思いつつ、半ば懇親会メイン(爆)で参加。
結果的には、知りつつも今まで行けなかった場所に、
足を踏み入れる事が出来て有意義でした。

その一つが「新宿新都心地域冷暖房センター」
新宿副都心のエネルギー供給を一手に担っている施設。
東京ガスの子会社である「(株)エネルギーアドバンス」が運営しています。

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これがまた面白かったんですよ。



場所は新宿パークタワーのすぐ横。
外観上は一体の建物になっているが、
よ〜く見ると、建物の上部ほとんどが冷却棟になっているのでわかります。

見学ツアーは、良くある施設見学と同じように、
まずは概要を説明するための実物大模型コーナーから始まる。
上の写真は、新宿のビルに4℃の冷水を運ぶための配管の断面。
直径1.5mもあるそうです。(驚)

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これは施設の中核となる大型冷凍機。
コジェネガスタービンで発生した蒸気を動力源に動く、
二重効用吸収式冷凍機。
この冷凍機で35200kwの能力がある。(家庭用エアコン約15000台分)
吸収式冷凍機は稼動部が少ないので、騒音は少ないと聞いていましたが、
この大きさになるとやはり相当の騒音。
また、吸収式冷凍機は電力消費量は少ないが、化学反応で冷却を行うため、
機械自体が大きくなる欠点がある。
この辺りは集中供給する事で、デメリットを消す事ができますね。

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これが各ビルに冷却水、蒸気を送るためのパイプライン。
冷却水は冷房に、蒸気は暖房と給湯に利用するそうです。
そうか、だから新宿の超高層ビルにはでっかい室外機が無いんだ!!
(全くない訳ではないですが、規模の割には・・・というコトです)

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はい!!ここが最もびっくりした場所。
「機器搬入口」です。(笑)
高さが約15mぐらい。上部は地上になっています。
天井に見えるPC版をあけるとそこが地上。
機器の交換・搬入の時に利用するそうですが、
開け閉めだけでかかる経費が3億円!!
ちなみに、今まで一度も使った事は無いそうです。

この新宿新都心地域冷暖房センターは1971年に運転開始。
すでに40年近く稼働していると言う事です。
エネルギー大消費地である副都心で、
各ビルが個別にエネルギー供給をしていたら、
コジェネどころか、効率面だけでも相当のロスがあるだろう。
さらには設備費やメンテナンスなどにも莫大な費用がかかる。
そう言う意味では、大消費地に対しては
集中供給が似つかわしいやり方なのかもしれない。

現在は蒸気発生にガスタービンとボイラーを利用しているが、
将来的にはバイオマス利用なども考えられるかも。
切り替えには、この地冷センターの設備を変えればいいだけなので、
非現実的な話ではない。

私たち住宅関係の設計者は、
どうしてもエネルギー「利用」のことを考えがちだが、
このようなエネルギー「供給」から考えると、
実は違う答えがあるかもしれない。

なんて、わくわくしながら考えていました。

このあと、今話題の六本木周辺へ行ったのですが、
その事は次のエントリーで。
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by kameplan_arch | 2007-08-09 10:43 | けんちく日記
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