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建物調査を終えて

御蔵である程度ブログの更新をしようと思っていましたが、
何せ携帯がつながるのが「里」と呼ばれる、村の中心地だけで、
少し離れると圏外になってしまいます。
もちろん、里から40分ほど離れた建物がある地域は圏外。
帰ってからも疲れが出たのか、PCを開く気になりませんでした。

ということで、御蔵島の調査はこんなところでやりました。






御蔵島自然学校の拠点とする予定の家屋は、
昭和初期に建築され、30年代からはほぼ空き家の状態で、
たまに持ち主が手入れをする状態でしたので、
見た目結構荒れ放題で、
本格的に改修するには相当の手間と費用が予想されていました。

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さすがに外壁は、元々貼っていた板壁の上に貼り直した塗炭の波板がさびて、
崩れ落ちている部分があるぐらいの傷みようですが、
内部は驚くほど綺麗で、そのギャップの原因も調べてみたら・・・

外壁周りに使われている柱と、3尺入った内部の柱の樹種が違い、
外部は杉、内部はなんとシイが使われていました。
どちらも当時から島に生えていたものを使ったと思われますが、
本土と違い、満足な製材設備があった訳ではないので、
木挽きノコや鉞(チョウナ)を使って製材したものと思われ、
チョウナの後があちこちに残っていました。

また、シイは耐久性が高い事で知られ、
古くから、仏像彫刻や家具にも巾広く使われています。
そのせいか、普通何の手入れもされていない礎石造の柱の足下は、
結構シロアリにやられている事が多いのですが、
ここの柱のほとんどにシロアリの食害は見られませんでした。
もちろん、床下には1M近い空間があり、
十分な換気が行われていた事もありますが。

また、外回りの柱はスギなのですが、
シイで建てられた柱とは構造的に分離されていて、
交換する時にも、本体構造にあまり影響を及ぼさずに
交換できるように木組みされていた事が分りました。

このような方法が本土で一般的であるかどうかは分りませんが、
少なくとも里から離れ、まともな道もなかった小さな村で、
ほとんどをその周りにあった木で建てた住宅とすれば、
この島特有の「くふう」が随所にあるように思われました。
この辺りは、島に現存するふるい木造家屋と比べてみなければ何とも言えませんが、
「御蔵島工法」のようなものがある可能性が見えてきました。

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島にはこのような古い木造家屋もまだまだ現役であるので、
機会があれば中をのぞかせてもらえればと思っています。
by kameplan_arch | 2008-04-30 10:44 | 御蔵島自然学校/東京
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