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ろくろくの家 完成

いままで設計した中で最も小さかった家、ろくろくの家。





6×6M角の、とっても小さな家ですが、
心地の良さを詰め込んだつもりです。




お施主さんはご夫婦お二人。
自分たちの暮らしにピタッとあったサイズの家と設えを、とのご希望でした。
お二人で時間を過ごす空間として、リビングダイニングや寝室など、
時間を過ごす場所として、適度なボリュームを考えてみました。





1Fは居間として10帖強の空間を、吹き抜けを通じて2階とつなぎました。
玄関を入ったところに吹き抜けを設け、「ん〜」と伸びをしてリラックス開始。
その奥の居間は、床に近いところで生活するスタイルに合わせて天井高を抑え、
包まれ感がありながら狭く感じさせないように気をつけました。





直接道路に接していない「旗状敷地」だったので、
道路側からの視線を特に意識しなくても良かったのですが、
隣地にある生産緑地を通して、どうしても家の中が見えてしまう。
そこで、引き込める障子を設えた。
晴れた昼間には開け放し風を取り込み、
夜は閉めてプライバシーを守る。
障子を閉めても吹き抜け上の窓から夜空が見えるので、
閉塞感はそうないと思っていた。





どうでしょうか?
夜ビールでも呑みながら、ぼけっと空を眺めてもいいかも。



この吹き抜けは、2階書斎・寝室とつながっている。
吹き抜けに面したところは机を置いて書斎コーナーに。
近くにある公園の緑を目一杯借景してみました。
敷地の一番美味しいところを捉えきれたと思っています。





吹き抜けを下から見上げたところ。
書斎コーナーはちらっと見えますが、その奥のベットコーナーは全く見えません。
格子の後ろにはウォークインクロゼットもあるので、
縦格子で風は通すが視線は切る事を狙いました。
「何かがあるのは分るが、何があるかは分らない。」
これが空間に広がりを持たせる事だと思っています。





2階書斎・寝室。
2階にはその他にウォークインクロゼットと浴室があるので、
出来るだけ外部から視線を見切りながら風を通し、
内部の広がりを確保するため、ロフトを一体とした計画にしました。





いままで全く触れてこなかった場所ですが、
今回ちょっとこだわり、現場でも相当工夫してくれた階段周り。
階段と1階トイレが絡んでいて、その絡みと手摺を不自然にならないように設えた。
踊り場にある窓と相まって、光りだまりのいい空間になりました。





夕景の吹き抜け回り。
けっこうしっとりとして、いい感じに仕上がりました。

今回ろくろくの家を手がけて感じたのは、
やはり家は規模や仕様ではなく、
そこに住む人の感覚的な空間サイズに合わせて作るべきで、
その辺りを読み取りながらプランし、仕上げていくことが肝要だと。
さらに、小さな家だからこそ、ほんの小さな部分でも細心の注意を払って仕上げないと、
ボリュームのバランスから浮きだってしまう。
そう言う面では、小さな家ほど難しい。
でも、楽しい仕事をさせて頂きました。
by kameplan_arch | 2008-07-16 17:39 | ろくろくの家/東京
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