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松崎の蔵つくり

先日、建築士会の活動の一環で、伊豆の松崎に行ってきました。
友人の結婚パーティー翌日だったので、単独で松崎まで追いかけて、
長八美術館で落ち合うことができました。

コースには長八美術館岩科学校が含まれていたのですが、
双方とも過去に見学したことがあったのでパス。
現在長八美術館の入り口で行われている、「蔵つくり」を見学してきました。








松崎は鏝絵を編み出した「入江長八」で有名で、
なまこ壁の蔵が多く見られる所です。

しかし、蔵の新築は戦後行われておらず、師弟関係の技術継承もすでに途切れています。
そこで、「蔵つくり隊」という地元有志が、古い蔵の解体の際に構造などを研究し、技術継承と再興を目指して建てられています。





柱は外壁面にあたる部分はギザギザに加工されていて、
土壁の骨組みになる竹小舞を引っ掛けて固定できるようにされています。
これは、蔵の土壁は民家のものよりも厚く重いため、
こうしないとずり落ちてくる可能性があるためだとのことでした。





柱の所々に取り付けられている大きな釘。
これは、今後外壁の補修をする際に使う、
足場を支えるための引っかけになるとのことでした。
そういえば、周りの蔵にもこういうL字型の金物が外壁から飛び出していましたね。





松崎では家を新築する際、蔵を先に建てて母屋が完成するまで、
蔵の2階を仮住まいにしていたそうで、
2階を有効に使うために、棟木を支える柱をなるべく少なくする必要がありました。
そこで、登梁(のようなもの)を頂部で合掌に組んで持たせる方法が一般的だったそうです。
そういえば、御蔵島の古民家にも規模と材質は違いますが、
ほぼ同じような考え方で組まれた小屋がありました。
やはり伊豆と御蔵島の建築文化は繋がっていたのかも知れません。

この蔵は「仕舞う」ために作られた訳ではなく、
「作ること」と「見せること」を目的に作られたものなので、
実際よりもずいぶん小さなものですが、つくりは本格的。
施工も有志で行われているので、結構ゆっくり進むようです。
ご興味のある方は、松崎町にお問い合わせの上見学されることをお勧めします。
by kameplan_arch | 2008-10-14 09:16 | けんちく日記
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